執行役員    リスク管理部、コンプライアンス部担当  1994年入社

 

女性社員として、数々の社内初をつくってきた

 

会社選びの基準は「長く働き続けられること」。その条件に合致したのが当社だった。一般職から総合職への転換第一期生、産後復職した社員の第一号、リスク管理部で社内初の女性部長となり、2023年には女性初の執行役員に就任するなど、数々の社内初をつくってきた。現在は執行役員として活躍中。

 

 

~ Career ~

 

一般職から総合職の転換、管理職へ駆け上がる

 

一般職として入社後、経営企画部に配属されました。外務員資格試験の勉強や、監督官庁である大蔵省(現金融庁)への提出資料、プレスリリース、ディスクロージャー誌の作成を通じて仕事を覚えていきました。証券アナリスト資格は入社5年目に取得しました。女性社員の証券アナリスト資格取得は当社では初めてで、上司がとても喜んでくれたのが印象的でした。経営企画部での最初の5年間は、一生懸命学び、業務の基礎知識・能力をつける期間だったと思います。仕事は言われたことをきちんと遂行することに一生懸命で、終わらないときは残業もしました。同時に証券アナリストの資格取得のため学校に通ったり、友人と業務後に食事に行ったりして楽しく過ごす時間もありました。入社6年目に総合職への転換制度が導入され、一般職から総合職への転換1期生となりました。

 

総合職に転換したことによって仕事の中身や責任、求められる姿勢が変わりました。総合職になると資料作成の補助ではなく、自身で資料を作成し、さらに相手に理解してもらえるよう説明や交渉をすることまでもが求められました。当時の上司からは「わからないことは、社内のわかる人に教えを乞え」といわれ、自分でしっかりと調べたうえで、多くの方から助言を頂きました。他部署の部長や役員が声をかけてくれることも多くなり、仕事についての心構えを教えて頂く一方、「もっと視野を広く」「ちゃんとできて当然」と厳しい言葉もたくさん頂きました。人に注意することは案外難しいもので、言わないでいる方が簡単なところ、よくぞ指摘してくださったと感謝しています。このような社風も少人数の会社ならではの長所なのだと思います。

 

管理職になったのは30代ですが、社内で転換したことで昇格が遅かったという印象はありませんので、能力主義のフラットな評価体制が敷かれているのが当社の良い点であると思います。管理職になってから自分で意識していることは、部下の業務成果はもちろん、その成果を構成する背景やプロセスを見ることです。結果だけでは見えてこない仕事への考え方や向き合い方を知ることが、成長への指導や教育につながるのだと思っています。そのため、自分の部下には案件ごとにその考えに至った経緯や根拠、この仕事の目標を時間をとってきちんと聞くようにしています。時代に合っているかはわかりませんが、自分のマネージャースキルの原点はここにあり、部下が意識していなかったことへの気づきや、新たな発見を引き出せたらという思いで取り組んでいます。

 

「仕事は考えて一生懸命取り組みたいし、その過程で何かを得たい」

入社から変わらない私の仕事への向き合い方です。欲張りなようですが、そうすることで、楽しかったことや充実感、もちろん悔しかったことや反省をも含め得ることができたと感じています。また、当社の理念(公平性、公正性、透明性)と事業が直線的につながっているので、仕事や求められる役割が変化しても考えや判断の軸がぶれることなく、今までやってこれたのだと思います。これからもこの向き合い方を根底におき、仕事に取り組んでいきたいと思っています。

~ Work Style ~

総合職への転換1期生に続き、出産後に復職する女性社員として、ここでも初めての例になりました。会社も制度面を整備しバックアップしてくれましたが、自分の中で仕事とプライべートは別、仕事をおろそかにしたくないという思いが強く、他の社員と同様に残業もしていました。仕事に支障が出ないよう、保育園はもちろん、ベビーシッターや家族の手など、借りられるものは全部借りて、なんとか子育て期間を乗り切りました。ワークとライフのバランスなんて全く取れず、ライフの部分は散々たるものだったと今では大いに反省しています。現在は当社でも、育児短時間勤務など多数の充実した制度が整備され、出産後の復職は当たり前になり、最近では育児休職を取得する男性社員もいます。「育児」や「介護」など、一人ひとりを取り巻く環境に合わせ、充実した制度を活用し、多くの社員に仕事と生活の調和を実践して欲しいと思います。
 

「ワーク/ライフ」についてですが、最近では、バランスだけを意識するのではなく、ライフステージに応じた双方の充実を積極的にマネジメントする「ワークライフマネジメント」など、さまざまな言葉で表現されています。子供が小さい頃、仕事に全振りしていた私としては、バランスをとるのがいかに難しいかを実感しているので、マネジメントの方がしっくりきますね。どのような言葉で表現されたとしても、「ワーク/ライフ」は切り離せないものであり、双方を充実させるために、限られた時間をどのように効率よく使うのか、「時間」について強く意識することが大切だと思います。この「意識する=考えて行動する」ことこそ、当たり前のことのようですが、人の成長に欠かせない基本だと私は思います。ワーク/ライフ 両者にしっかり向き合うことで、より人として成長し、それを仕事に還元してほしいと思います。

 

~ Advice ~

 

仕事を楽しむためには、「自分で考えられるか」がポイントです。

女性の会社選びのアドバイスとして1つ。業種や業態も大切な要素だと思いますが、将来どのように暮らしたいかということも大切な要素だと思います。もちろん、入社後に考え方や環境が変わるかもしれませんが、それは今は誰にもわからないこと。私のように地方転勤がない会社を希望する人もいれば、自分自身の転勤が楽しいという友人もいますし、時間の制約なしにしたいことをするという友人もいます。考え方は人それぞれで「正解」はないので、自分でじっくり考えてほしいと思います。

 

当社の女性の平均勤続年数は約20年。国の統計による平均年に比べて非常に長いといえますが、一方で女性管理職比率は約1割であり、高いとはいえない状況です。今はダイバーシティー&インクルージョンを考える時代です。一般職種で入社しても、出産・子育てといったライフステージを終えた後、また入社時とは違う仕事に対する考え方が出てきた時など、遅すぎることはないので、総合職への転換を志してほしいと思っています。当社の総合職への転換制度も、以前に比べて制度の間口が広がりました。だからこそ、キャリアに対する固定観念はもたず、自身のステージに合わせた柔軟な考え方でキャリアを見つめてほしいと思います。当社には補助的業務を主とする一般職種もあります。ワークライフバランスを考え、自分にあった職種を選択できる点は、仕事を長く続けるという点においては、非常に重要だと思います。今いる社内の女性にも、これから当社にきてくれる女性にも、仕事を通していろいろなチャンスを見つけてほしいと願っています。

 

Women's Careerとして皆さんに伝えたいことは、仕事の向き合い方で5年後、10年後の自分の仕事が大きく変わることを知っていて欲しいということです。仕事は作業として型で覚えることも大切ですが、頭で考えることはもっと大切だと思っています。何も考えずにその場を乗り切るだけの仕事をしている人は、何年たってもその場だけの仕事しかできませんし、期待もされません。はじめは歩みが遅くとも、常に自分で考え課題意識をもつことで、地に着いた仕事の仕方ができるようになり、まわりからの信頼も得られ、何よりも期待されてやる仕事は非常に楽しいものです。ぜひ、一緒に楽しい仕事をしていきましょう。

 

 

 

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